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国際法解説 NO1

主権国家体系とその変容

国際社会の捉え方

現在、学者や政治家の考え方には大きく3つの種類があるとされている。リアリズム、リベラリズム、コンストラクティヴィズムの3つである。

国際法は他の法律分野と違い、政治に多大な影響を受ける。したがって、「国際法をどのように捉えるのか」ということと、「政治をどのように捉えるのか」ということは大きく関係している。

政治や国際法の書籍を読むときは、リアリズムとリベラリズムの視点を意識して読むと分かりやすいかもしれない。

(リアリズム=伝統的で政治重視、リベラリズム=進歩的で理想重視、といった理解でもおおむね問題はないかとは思われる)

 

国内社会と国際社会を比較すると、、、 

◎国内社会

→立法機関(拘束力あり)、行政機関(強制措置可能)、司法機関(強制執行可能)=”集権的”

◎国際社会

国連総会(拘束力なし)、国際機関(強制措置不可)、国際司法裁判所(ICJ)(強制執行不可)=”分権的”

国際社会の変化

しかし、国際社会にも少しずつ集権的要素が生まれてきている。

(国際規範全体を、主要な構成要素と結び付けてその一体性を重視する考え方を”立憲主義”という)

例えば、国連安保理決議には強制力・法的拘束力があり、ICJの強制管轄権受諾を宣言している国は約70か国にのぼる。(日英独加印は宣言国、米仏露中伊韓は非宣言国)

また、ウィーン条約法条約や国連海洋法条約などの多国間条約は国際立法と称されることもある。

 

これが世界の現状であるが、これに対し、リアリストはその分権性を強調し、リベラリストはその集権性を強調する。

 

・リアリスト(・ω・) 「国連憲章2条には”主権平等原則”と”不干渉原則”が明記されている。ローチュス号事件判決(1927、百選19)では、【国際法は独立国家間の関係を規律し、国家の独立への制限を推定できない】と示された。国際社会の本質はホッブズ的無政府状態である。」

 

リベラリスト(^_^) 「多くの国の憲法国際法順守規定があり、国際的にも国際法順守の流れである。グローバル化とともに多様な法主体も現れ、国家だけがプレイヤーではなくなってきている。国際社会は不完全とはいえ立憲主義的で、国内社会の類似となっている。」

 

国際関係における法の構想

国際法の2つの考え方

◎国内(私)法類推

・・・国家を国内法における個人とみなし法を適用する考え方。多様な法主体とより高度な複雑性、また文化帝国主義の観点から、現在は否定的。

 

◎国内公法類推

・・・国内における憲法行政法などの垂直的な関係を国際社会と国家に類比する考え方。ただし、この考え方が根拠とする国連などが主権国家の併存を基礎とする以上、そのままの適用は出来ないとされる。

 

グローバリゼーションと多様な脱国家的主体の台頭(国際機関やNGO多国籍企業など)によって、国際法と国内法を明確に区別する二元論よりも、両者を一体のものとみなす一元論の方が有効になってきている。

(EX)”トランスナショナル・ロー” (ジェサップ,P.C.Jessup) / ”人類のコモン・ロー”(ジェンクス, C.W.Jenks) / ”世界法”(クラーク, G.Clark  ソーン, L.B.Sohn  田中耕太郎 デルマス・マルティ)

 

しかし、あくまでも根本的には、世界は個別の主権国家の併存構造であり、国際法の妥当性とその内容を解釈するのは個別の主権国家である。国際法はあくまで主権国家の自発的な実施・実行に依存している。

また、複数の国際司法機関の設立による、国際法の”断片化(フラグメンテーション)”も危惧されている。

 

 (p1~6)